【完】せんぱい、いただきます。

「つか、俺、もっと化粧は

薄いほうがいいし、

身長も高いほうがいい。

それに、あの子よりも性格は

おっとりしてる方が好きっていうか。」






私は、先輩の話を聞きながら、

数回まばたきをした。





「何?」






いつもの少し、ぶっきらぼうで

照れた声に戻った。




「私、先輩のこと全然知らないなーって

思って。」




私は、そんな先輩に

自分の思ったことを言った。





「これから、知っていけばいいよ。」


「じゃあ、これからいっぱい話してください。」




先輩が先にベンチから腰を上げる。

私も倣って腰を上げる。






「一つ、教えてあげる。




俺、好きな子には自分から告白したい派だから。」






後ろ姿の先輩はそんなことを言っていた。

< 72 / 163 >

この作品をシェア

pagetop