笑顔をくれた駅員さん



文化祭の準備が始まった。




放課後は部活に入っている子も入っていない子も協力して準備に取り掛かった。






「橘さん!ちょっとこっち来て~」






「あっ、うんっ」





私は衣装とメニューのまとめ係。





奏人くんは内装やその他のまとめ係。





2人とも大忙しだった。






「橘さん、これメイド服のデザインなんだけど、どうかな?」






デザイン担当の子が聞いていた。





紙を渡されたので見てみると、どれも可愛いメイド服のデザインだった。






「わぁ…可愛い。私全部好きかな…」





正直な気持ちを伝えた。





「あは!ありがとう。でも1つに絞って?」






うーん。





私はこう見えて女の子らしいフリフリの服が好きだったりする。





「これ、かな…」





私が選んだのは上品なフリルの付いたメイド服。





「了解!橘さんがこれ選ぶのはちょっと意外だった~!可愛いねっ」






普通に会話ができた。



どうしよう。嬉しい…





今までは女の子と話しても冷たくあしらわれるだけだったのに。





優衣以外にも私と話してくれる人がいたんだ…





心がじーんとする。





気づけばポロポロと涙が出ていた。





「えっ、橘さん?どうかしたの?」






いきなり泣き出した私に驚いた様子だった。






「ごめん何でもないっ!ちょっと嬉しくて…」







「あはは!橘さんってなんか面白いねっ」







「そ、そうかな…?」






クラスの人にそう言ってもらえるなら、もっと文化祭の準備を頑張ろうと思えた。



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