笑顔をくれた駅員さん
駅員さん

はじまり





あの駅員さんに出会ってから1週間が経った。





あれからいっこうに会えない。




なぜかはわからないけど、会いたいって思う。




誰かに会いたいって思うのは久しぶりだな。





そう思いながら電車にゆられて登校した。








「おはよ!橘!」




そう言って挨拶してきたのは、クラスメートで唯一私に話しかけてきてくれる大原 奏斗(おおはら かなと)だ。





「あ、おはよう…」





突然話しかけられて驚いた。





「なんだー?今日もドライだなー!」





朝からそんなハイテンションなのは奏斗くんだけだよ…





まあ私の場合はいつもだけど。






彼はクラスの中心グループの中でもとびきりのイケメンで男女問わず誰からも人気があって人望が厚い。




私と真逆のタイプの人。






そんな彼がなんで私に絡んでくれるのか。





普通の人はすぐに私から離れていくのに…



< 15 / 110 >

この作品をシェア

pagetop