笑顔をくれた駅員さん




「ご、ごめんなさい…」



南原さんは本当に反省しているようだ。




「謝る相手がちげぇんだよ。あいつにちゃんと謝れ」




こ、怖い…



私怒られている訳じゃないのに鳥肌が立つ。




南原さんに視線を送ると目が合った。




「橘さん…ごめんね。」




「ううん…大丈夫。」




あんなに南原さんのことが憎くて仕方がなかったのに、何故かそこまで怒る気になれなかった。





たぶん、本気で奏斗くんのことが好きだからがゆえの行動だったんだと今分かったから。




誰だって付き合っていなくても好きな人が違う人と仲良くしていたりしたらいい気はしないと思う。




私も南原さんの気持ちを考えずに奏斗くんと仲良くしすぎてしまったな…





奏斗くんが、私の机の場所まで机を持ってきてくれた。




「ん」


「あ、ありがとう」



奏斗くんはやっぱり優しい人だ。



だからこそ、南原さんは奏斗くんのことが大好きなんだね。



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