御曹司と恋のかけひき

34話

土曜のパーティが終わって、日曜日。

夕方直哉さんから、大きな箱を渡された。

「万里香、これ着て」

箱を開けると、イブニングドレスが入っていた、
ロングで背中の開いた、正式なドレスで、
しかも、フォーマルコーナーに置いてあるような物ではなく、
専門のブティックで購入した、かなりの高級品だと、一目で分かる。

「どうしたの?」

「ディナーを予約してある、1度だけ、万里香がリクエストしたお店だよ」

「え?」

「万里香の好きなお店なんだろう?」

マナーの勉強にリクエストしただけだが、そう言うのも申し訳なく、
うなずく。

「着替えてきて」

そう言って、直哉さんは自分の部屋へ入っていく、
おそらく、直哉さんもフォーマルな服に着替えるのだろう。

しばらく、直哉さんの部屋の入口と、ドレスを交互に見ていたが、
もうレストランの予約がされているのなら、仕方がないと、
着替える為に自分の部屋に入っていった。
< 34 / 38 >

この作品をシェア

pagetop