キミへ告げる想ひ
08-フライ・アウェイ

1,

約束の時間に来た彼女は、

花柄のついたピンクのワンピースを着ていた。

「お待たせ」
彼女は来たとき最初にそう言った。

桂碁のわがままというのは今日堀野と最初で最後のデートをすることだった。

この案を思いついたとき彼女にそれを提案するか迷ってしまった。

でも、華に『何してきても怒らない』というのに今回だけは甘えて、言うことにしたのだった。

「私ねこうやって男子とデートするのって初めてなんだ。だから、ちょっとだけ緊張してる」

「堀野もなの?俺もさっきから緊張しっぱなしなんだ」

「案外うちらって似てるのかもね。
でも、この前言ったことに嘘は無いからね…」

堀野は笑ってそう言った。
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