狂愛彼氏
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ぐったり。
今のあたしにぴったりの状態。
「大丈夫か?」
飲み物の入ったコップを渡されて「ありがとう」とそれを受け取る。
「なんとか……」
コクッと飲み物で喉を潤す。オレンジの味が体を満たしていくと同時にピリッと痛みを帯びる喉に苦笑した。
お化け屋敷で喉を痛めました、なんて良い笑いネタだ。
「もう、二度とお化け屋敷なんか入んない………」
座っているベンチに背中を預けながらあたしは声を絞り出す。
そんなあたしの頭を疾風は優しく撫でてくれる。
「そうだな」
苦笑混じりの応えにあたしは大きく頷く。
「いっそのこと無くなっちゃえばいいのに」
「それは、無理だろ」
「むぅ」
頬を膨らませると、疾風の指が押し潰す。