狂愛彼氏

――――――――
―――――


コンビニに着くと、どうしてこんなところにと不満そうな目で女は見上げる。


『お前の家聞いてない』

『……』

『一人で帰れるは無しだからな』


上目で睨まれる。
そんな目で睨まれても痛くも痒くもない。
改めて、コンビニの電気で顔が露になる。暗がりの中では分からなかったが、女の顔の整い具合に目を見開く。


(今まで、よく生きてこれたな)


そう思うくらいに綺麗で、儚げだった。


『………ちょっと飲み物買ってくる』


一緒に行くように誘うが女は断固拒否した。仕方なく、ヘルメットを女に持たせて、俺はコンビニの中に入る。
いらっしゃいませーとやる気のない店員の声を聞き流しながら、飲み物コーナーに向かう。


(……ヤバイな)


ジュースを眺めながら、思った。


< 66 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop