狂愛彼氏
ダラダラと冷や汗が流れる。
「お、収まってない?」
「あぁ」
「ど、どうやったら直る……?」
恐る恐る聞いてみれば待ってましたと言わんばかりに疾風は私の首元に手をやる。
「一番早い方法がある」
「っ………」
その手はそのまま私の胸元へと移動していく。
「は、疾風………っ」
「ん?」
こんなときに優しい声出さないで!!
「手、手が」
「あぁ」
「ちょ、「一番早いのは」
「お前が俺のものになることだよ」
疾風の顔が近づいてきて首元に埋める。
首筋にかかる息に私は、体を震わせた。
「っ」
「遥………」
チュッと首にキスされた。
一度疾風は離れて私を見下ろす。
その目は、獲物を捕らえた狼だった。
その目に、私は逆らうことができない。
「遥―――好きだ」
ずんっと重く、だけど酷く安心する一言だった。