ごめん。俺、バカで
「あーやだやだ」



仕方なく、教卓の前へと荷物を持って移動をする。



「あ……」



隣からそんな声が聞こえて、向いてみれば気まずそうな顔をした千愛希ちゃん。



「あ、隣?」


「……」



聞いても反応はなし。



「少しくらい反応してくれてもなぁー」



なんてぼそっと言ったら、遅れてこくんと頷いてみせた。



「おー!クールビューティ!最高!」



頷いてくれたことが嬉しくて、そんなことを言った俺に少しクスッと笑った気がしたんだ。



「じゃあ、今日はこのまま解散ー」



担任の一言で一斉にみんな立ち上がる。



「あのさ……「千愛希!」



千愛希ちゃんに話しかけようとした言葉を誰かによって遮られる。



「しゅうくん」


彼女の口からでた名前。

こいつはたしか、隣のクラスの新庄。



「なんだ席替えしたのか。1番前なんてついてないなー」


「ほんとに……」



チラッと俺を見る。



「帰ろーっと」



俺はなぜだか2人のやり取りを見ていたくなくて、カバンを手にして立ち上がる。



「じゃあね、千愛希ちゃん」



当然、その挨拶に千愛希ちゃんの答えはないんだけど。

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