Moonlit Nightmare
Second nightmare

あの子は渡さない





「ーーょう様、お嬢様、おはようございます」
「ーーッ?!お、おはよう。暁」


バッ、とはね起きると、少し驚いた顔した暁が、「ご無理はなさらないでください」と再びベッドへと寝かす。



……今までのは、夢?

どこから、どこまでが??


『ヨハン』も、私の妄想の産物だったということ?
それじゃあ、昨晩の夜景も、約束も……



「…馬鹿みたい」


落胆して寝返りを打つ。

と、


「…お嬢様、窓をお開けになられましたか?」

「え?」


暁が窓まで歩いて行って、窓を閉める。

一瞬の日光に、くらりと目がまわった。



「昨晩はしっかり施錠したと思っていたのですが…」


「………!」

考え込む暁に、声の震えを隠して、言う。



「あぁ、確かに昨日、開けたかもしれないわ。…月が、とても、綺麗だったの」


目を閉じる。
煌めく銀髪に、心が踊る。


「そうでしたか。…では、お嬢様。本日は………」

微笑を携えて予定の確認をする暁にバレないように、口角を上げた。




夢じゃ、ない。

今日も、彼に会えるんだわ。


『日常』を壊してくれた、彼に。









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