君だけをずっと
「なみ____。どうした?」

知恵が心配そうに私の顔を覗き込む。

「・あ・ごめ・・ん。なんでもないよ。ちょっと、疲れが取れなかったのかな。」

ドロドロな気持ちを感じたられたくなくて、必死でごまかす。


「じゃ、保健室行く?」

宮澤君がそう聞いてくれたんだけど、集中講座があったことを思い出したらしく

「・・・いっけね。オレ、朝から集中講座があったんだ。ごめん藤野、オレ連れていけないわ。」

「ううん。大丈夫だよ。教室で静かにしてるから。」

「そっか。じゃ、昼休みにくるから。」

私の頭をポンポンとした後、知恵に向かって

「山辺。藤野のことよろしく頼むな。」

そう告げた後、走って教室に行った。


「相変わらず、キザよね~言い方。」

知恵が肩をすくめる。


「蓮が甘い__。じゃ、俺も職員室行ってくる。」

宮澤君の態度をみてちょっとびっくりしたらしい孝太郎君も、颯爽と歩いて行った。


「那美・・具合悪くなったら言ってね。」


じゃ、いこっか。

私と歩いてくれる知恵に少し罪悪感を感じながら、教室へ入った。


< 31 / 47 >

この作品をシェア

pagetop