護衛の私と主人の君と
「私は雪が好きだが、その気持ちは叶うわけもなく、ただ心を乱すからだ」



昌「………は?何考えてんの?」



「は?」



昌「雪は、間違いなく雫に惚れてんの。家とかでも、そういうの無いと思うぜ」



「いや、護衛を始める前に聞いた。雪の父さんが目星を付けてる相手が居るんだ」



昌「………バカだなー」



「は?何がだ」



昌「その時、蓮さんはその婚約者とやらの名前を言ったのか?」



「いいや」



それが?



昌「それは、その婚約者の目星を付けられてるのが雫だって事だ」



……は?



昌「わざわざ婚約破棄したのは、その相手よりも良い相手を見つけたからだ。

雪と相性が良い、信頼出来る相手を」



「私が?」



昌「あぁ。雪だってそれを理解しとるだろうし、してなくとも、蓮さんに言うだろうな。

勝手に決められた相手よりも、雫の方が良いって」



…………。


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