その男、カドクラ ケンイチ




「おはようございます。
席着いてくださーい。」


カドクラが教室に入ってきた。


ぱらぱらと席に着きHRが始まる。



「俺はこの日を楽しみにしてました。
6組の生徒が全員揃うこの日を。

タカハシ、改めて退院おめでとう。」



カドクラに連られて全員が拍手をする。


タカハシは恥ずかしそうに笑う。








「あ!先生。ゆーへいがいないよ!!」

拍手を終えるとアカイが声を出す。



「あれ??ホントだ。」


カドクラも気づく。






タッタッタッ


「うぉー!遅刻した!!先生おはよ。」



噂をすればダテ ゆーへいが教室に入ってくる。


「ダテお前・・タイミング悪いぞ!」



カドクラの突っ込みにクラス中が笑いに包まれる。

ダテも席に着き、カドクラはHRを再開する。




「じゃあ簡単にHR始めるね。」



さくっと連絡事項を伝える。





「最後に、みんなに報告と提案があります。」


カドクラはクラスを見渡す。


「実は…つい3日前!このクラスの担任 ナガノ先生が無事に赤ちゃんを出産しました!!」



カドクラはつい声が大きくなる。



それを聞いた6組の生徒達は一気にざわざわする。






パチ…パチ…

パチパチ パチパチ




やがて拍手に包まれる2年6組。



最初に拍手を始めたのはタカハシだった。





「さっきも連絡したけど、今日の午後から文化祭の準備が始まるでしょ。

初日になんだけど…みんなでお見舞いに行かないか?

ナガノ先生は学校の近くの病院に入院してる。

もちろん強制はしないいんだけど・・・」




カドクラが言い終わる前に既に生徒達は全員笑顔で頷いた。





「「行く!!」」






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