その男、カドクラ ケンイチ

「いきましょうか。」


カドクラはエンドーと共に歩き出す。


この2人だけは車で来ていないので歩いて近場を見回る。





「しっかしまぁタケダさんも張り切って。」


今日が初参加となるエンドーが、ややめんどくさそうに言う。



「一応今日で終わりらしいです。
さすがに明日は次の日から学校だから生徒は出歩かないだろうってタケダ先生言ってました。」



2人は学校から一番近くのコンビニに向かっていく。





「カドクラ聞いてないかもしれないけどよ。
この前の春休みに…」



「あ、今の3年生が補導されちゃったって話ですよね。
昨日の見回りの時に聞きました。」


「お前2日連ちゃんなの!?暇だね~。」







カドクラが堂々秀高校に赴任してくる少し前、

当時の2年生男女4人が深夜徘徊をしていて警察に職質を受けた。


責任感が強いタケダが再発防止にと、今回の見回りを考えたきっかけである。







「まさか夏休みもやるんじゃねぇだろうな。」


エンドーが危惧する。


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