その男、カドクラ ケンイチ
第13章 明けない梅雨
第13章【明けない梅雨】





「よく降りますね。」



ーーーーー校長室



堂々秀高校 第85代校長アザクラはコーヒーを片手に今日も金魚に餌を与えていた。



「なかなか梅雨明けしませんね。」


校長室の中には教頭もいた。




「報告は以上になります。」


「アオイさんでしたっけ?
彼女は学校に来ていますか?」



アザクラは金魚の餌を引き出しにしまうとドカッと椅子に座る。



「アカイさんです校長。
ストーカーも捕まり、今では普通に登校してます。
これも全てカドクラ先生のお陰ですよ。」



「私の言った通り、カドクラ君はきちんと務められているでしょう。」


「はい。」


「頼もしいですな。」


「私も嬉しい限りです。
では失礼します。」




教頭は校長室から出ていく。












「でも金魚はまだまだいますよカドクラ先生。」



そう呟くとアザクラは2杯目のコーヒーを注ぐ。




外では容赦なく雨が降り続けていた。



< 86 / 181 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop