【完】【短編集】先生、"好き"を消せません…
--Yuya:Side--
俺にはアニキが1人いる。
よくできたアニキ。
小さい頃から俺はアニキと比べられてきた。
『祐也は本当にダメね』
『智弘とは大違いだな、もっと頑張れよ』
両親は口を開けばそのことばかり。
いつも
優秀な兄を持つ不出来な弟
そのレッテルがまとわりついていた。
嫌いになりたいのに、アニキは人当たりも良くてそれもできない。
本当によくできた人だ。
俺はずっと認めてほしかった。
アニキと比べても見劣りすることなく。