また内緒の話


来那side






名前も顔も知らない人が必死に私に呼び止めていた




私はりつに会いたいのに



この人は誰なの?




私の肩をガシッと掴んで



「俺だよ、律だよ、ここにいるじゃん」




って言っていた




「嫌だ!りつじゃない!」




私も必死に振り払う








でも








「来那!!!」





私の名前を思い切り叫んで




必死になってた人は私を抱きしめた






その瞬間






私の体は暖かくなって




懐かしい匂いと優しさに包まれる感覚







「り…つ?」






りつだ






りつがいる





「俺は…ずっとここにいるよ?」




りつの落ち着く声を聞くと



私は自然と彼の背中に腕を回した






























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