溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
「そ、そういえば中野さん、最近来られないですね」


寝室に連れていかれそうになり焦った私は、話を逸らそうとした。


「あぁ、彼女のとこだろ?」

「えっ……彼女?」


そういえば彼が熱を出したとき、看病を頼むのは無理だとわけありのようなことを言っていたような。


「そう。中野さん、別のホテルの社長令嬢と恋してたんだ。そもそも、大学の後輩だったらしくて。だけど、ライバル会社だからとか、立場が違うからとか、一旦は身を引いて……」


そうだったんだ。
そうすると、私たちと逆?


「でも、俺たちを見ていたら、彼女への気持ちを抑えきれなくなったらしいぞ。彼女を迎えに行ったみたいだ」


以前『おふたりを見ていると私も前に進みたくなります』と中野さんが言っていたのは、彼女とのことだったんだ。


「それじゃ、うまくいってるんですね」

「うん、彼女のほうも中野さんをずっと待ってたんだろうな。今頃激しく抱き合ってるんじゃない?」
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