☆stay with me☆
10分の休み時間ーーー


「星也ー!今日家に帰ったら
遊ぼーぜ!」


後ろの席にいる星也の席に駆け寄る
男の子と女の子


すでに友達なのだろうか



女の子はあたしに話しかける



「ねぇねぇ、星也と喋ってたけど
友達なの?」



友達…?


そう言われるとあたしたちの
関係は何なんだろう



ただ席が近いだけ?



ただ家の棟が一緒なだけ?



ーーーそう



あたしたちはたったそれだけの関係だ



「あぁ、友達だよ!家が一緒の
棟なんだよな!」



ーーーーえ



ともだち…?



星也の言葉に唖然とするあたし



「え、そうなの?じゃあ、私たちも
友達だね!星也とは幼稚園から
一緒なんだ!」



嬉しそうに話す女の子



「そうなんだ…」



「咲、この子困ってるだろ」



女の子と一緒に来た男の子が
女の子に諭す。



「あ、そうだよね…
急に友達なんて言ったら嫌だよね」



寂しそうに肩を下ろす女の子



「ち、違うよ!嬉しいよ!」


あたしは必死にフォローする



女の子は笑顔になり
「ほんとー?!嬉しい!
私、咲っていうの。よろしくね!」



「あたしは、にぃな。よろしくね」



あたしなりの精一杯の笑顔を見せた



あたしは笑顔が苦手で
あまり笑わないから自然に笑えない



「可愛い名前だね!
ねぇねぇ!なんて呼んだらいい?」



「え、えぇっとー…」



「あ、じゃあ咲って呼んで!」


「え、呼び捨てで?」


そんな急にーーー



「私もにぃなって呼ぶから
絶対、ちゃん付けしたら嫌だょ!」



「うん、わかったょ」



あたしは咲の押しに負けた
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