☆stay with me☆
「おい!聞いてんの?!」


いつまでも答えないあたしに
少し呆れながら尋ねてくる


「…そう、8棟だよ」


あたしはさっきよりも少し
大きな声で答えた




「そっか!俺も8棟だからさ
一緒に帰ろーぜ」



「え」



「お前さ、俺のこと知ってるだろ?」



その言葉に胸が高鳴った


何なの


あたしが泣いてたことをみんなに
バラそうとしてるの?


あたしのことバカにしてるの?


家の前で大声で泣いてたって



「…あんたなんか知らない…」



「は?」


あたしの声が聞こえなかったのか
間抜けな返事を返してくる男の子



「あんたなんか大嫌い!!」


あたしは教室を勢いよく飛び出し
家までいっぱい走った


何も考えずただただ走った


何も考えてなんていないのに
涙は勝手に流れてた



悔しかった


弱みを握られていると思うと…
< 9 / 96 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop