日向 HIMUKA
「気の短い奴だ」

母さんの子なんだから、
しょうがねーじゃん。

釈然としないぼくを鼻で笑うように、
日向は、話し始めた。

「夢とういのは二種類あってな。
お前がよく見ているような、
まぁただの夢と、もう一つ、霊界じゃ」

「なんだって?」

「人の魂は、
寝ている間に肉体を抜け出して
霊界へ行くことがあるんじゃよ」

「霊界ってつまりあの世のことだよね」

「いかにも」

あまりに突拍子もない言葉に、
ぼくは、
返す言葉もなく、あんぐ
りと口をあけていた。

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