日向 HIMUKA
想い出の品
(十一) 想い出の品

ミカと日向が
せっせと腹ごしらえをしている間に、
ぼくは、日向との計画をミカに話した。

ミカが眠るのを待って、
その横で水晶をつかって
夢の中をのぞき見ようというものだ。

ミカは、
その試みに興味をそそられたらしく、
いやに喜んでいる。

「人の夢に入りこむなんてすごいわねぇ」

とか、

「私の夢が終わったら次はハルキくんの夢に入らせて」

などとこっちの心配をよそに浮かれ顔だ。

けれど、そんな無垢な期待も、

日向の、

「こいつはろくな夢見んぞ」

というひと言で打ち切られていた。

時々ぼくは真面目に思う。

日向は、ぼくに何か恨みでもあるんだろうか?

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