降りやまない雪は、君の心に似てる。
エピローグ


***



俚斗が永遠の眠りについて4か月が経った。


「……なんだか今から緊張してきちゃうわ」


5月のGWは大型連休ということもあって空港は混んでいた。手荷物検査を終えて飛行機の搭乗時間を待っている間、お母さんは落ち着かない顔で椅子に座っている。


「大丈夫だよ。おばあちゃんと電話ならいつもしてるじゃん」

「そうなんだけど……」

「それより、おばあちゃんにお土産買わなくていいの?」


あれから私は冬休みを終えて東京に戻った。お母さんとのすれ違いもなくなって、少しずつだけど親子関係の形を取り戻しつつある。


「小枝は学校のお友達に買わなくていいの?」

お母さんはどら焼やお煎餅などをおばあちゃんに買っていくことにしたようだ。


「いや、こっちで買っても意味ないでしょ」

「ああ、それもそうよね」

東京に戻ってからは当たり前のように新学期がはじまり、桜の開花宣言とともに春がきて、すっかり気温は暖かくなった。
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