もしも、運命の赤い糸がみえたなら


「栞菜、大丈夫?」






そういう幸華ちゃんと朱里ちゃんに、あたしは「大丈夫」と元気に返事する。





「なんか、呼び出されてるのに、栞菜うれしそう。




もしかして、輝先生のこと、好きなの?」






朱里ちゃんが言う。






ここで、バレたらだめ!






先生が好きなんて、みんなには内緒にしなきゃ。






「そんなわけないよ。


栞菜は森といい感じなんだから」




幸華ちゃんが言う。





「たしかに!


この前の自主研修、森と一緒だったもんね。


なんかあった?」





朱里ちゃんが食いつく。





「そんな、何もないよ。」




あたしはブンブンと首を横に振る。








平田くんと幸華ちゃんを応援するため、なんて言えないもんね。

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