PMに恋したら

本気で怒っているのに、私を押さえつけ見下ろすシバケンは目の焦点が合わない。

「んー……」

目を閉じたシバケンは寝ぼけ声を出してゆっくりと顔を下ろし、貪るようなキスをしてきた。私は諦めて強引なキスを受け入れ、下唇をかじられながらシバケンの頭をよしよしと撫でた。こうなっては彼が隙を見せるまで止められないのだ。
一旦満足したのか唇が離れた瞬間、バシッとシバケンの頬を両手で叩いた。乾いた音が部屋に響き、痛さで「ぶっ!」と声を出すシバケンを無視して頬を挟んだまま押して顔を引き剥がした。シバケンが渋々私の上から退くと、そのまま布団に寝転がって動かなくなった。

「シバケン?」

恐る恐る声をかけると寝息が聞こえた。

「まったくもう……この酔っ払い」

仕事はあんなにかっこいいのに、酔うととんでもなく面倒くさい男だ。恋人の実家で押し倒すなんて信じられない。下の階には父も母もいるのだ。明日起きたらお説教してやる。
寝ているシバケンの鼻をつまんだ。「んごっ」と苦しそうな声を出したけれど、起きることなく再び規則的な寝息を立てた。仕事明けだから余計に酔いが回ったのだろう。

「今事件が起こっても出動できないよ、お巡りさん」

そう言って毛布をかけた。羽毛布団の上で寝てしまったから体にかけるものは毛布一枚しかない。風邪を引いてしまう心配があった。
酔った末に風邪を引いたヒーローなんて頼りにならないな。そう思いつつシバケンが愛おしく思えて頭を撫でた。

私のヒーロー。私の愛しい人。
シバケンといたい。この先何があっても、どんな事件事故が起ころうとも。
私だってシバケンのためならどんなことだってしてみせる。
だからどうか、この素敵なお巡りさんとずっとずっと一緒にいられますように。



END
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