契約の彼女と彼の事情

28話

「舞、ごめんね」

その一言に、体がびくんと跳ねる、

予想していた一言のはずなのに、胸が痛む。

口は開く事ができず、ただ首を振った。

「舞の気持ち、何も気づいてなくて」

そういって手を握られる。

次から次へと涙が溢れてくる。

「舞、契約の彼女辞める?」

胸がずきずきするが、力なくうなずく。

「なら、改めて、僕の彼女になってくれないかな」

思わず修一郎さんを見る。

「僕と付き合って下さい」

「どうして?」

「好きだよ、舞」

「私と付き合っても、何にも得ないよ?」

「損得と言うか、今更舞と別れたら、おばあ様が怖いよ」

「私でいいの?」

「舞がいいんだよ」

そう言われても、ピンとこない、
ずっと別れる事ばかり考えてきたから。

私を選んでくれている?

じわじわ、心に温かな物が溢れてきた。
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