契約の彼女と彼の事情

3話

「そうゆう舞さんはどうしてここへ?1人だよね」

「月1度の贅沢なんです、お金ないから」

「どうしてお金ないの?仕事はしてるんだよね」

「夢があるんです」

といっても、大層な物じゃないですけど・・・と続ける。

「スペインのバロセロナに行きたいんです、
 そこで3か月ぐらい暮らしてみたい、
 そうなると、仕事も辞めないといけないし、
 日本に戻ってから、すぐ仕事見つかるか分からないから」

「目標はいくらなの?」

「とりあえず300万です」

300万と男性が繰り返す。

「じゃさっきの彼女の話だけど、お願いしていいかな?」

「いいですよ」

お酒の入って、少し高揚した気分で気軽に答える。

「契約は月10万で」

「お金なんていいです」

「これは、舞さんの夢に、力になりたいからだよ」

そう言われて、ううんと考える。

「それに、すぐ10万だと足りないと思うようになると思うよ」

そう、いじわるそうに付け加えた。
< 3 / 34 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop