彼がメガネを外したら…。〜恋のはじまり〜


こんなふうに誰もが憧れる絵里花。だけど、絵里花は決して慢心しなかった。
メイクの勉強に髪や爪の手入れ。カラーコーディネートやスタイリングの勉強。見た目だけでなく中身も充実させるために、英会話に生き方講座、仕事帰りの絵里花はいつも忙しかった。

もっと素敵な人間になれるために、いつも心がけていた。〝女磨き〟は、誰でもない崇のためでもあった。


――それなにの、なんで?私の何が不満だったの……?


絵里花は思わず唇を噛んだ。思考はまたそこに帰着して、先に進んでくれない。
だけど、この疑問が解決されないことには、絵里花は仕事も手に付かなかった。



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