【完】『空を翔べないカナリアは』

〔4〕


美優が語り始めたのは、

「あたしが金髪のギャルになったワケだけど」

と言い、

「あたし、高校に入る前に今の色にしたんだ」

と言った。

「それまでは実は美姫と同じ黒い髪で、ストレートだった」

それが変わったいちばんのきっかけは、

「当時すごく好きな先輩がいて、その先輩とデートして、寝て」

ところが美優と寝たあとは急に先輩が豹変し、美優の都合なんぞお構いなしに、美優を呼び出しては性交を求めたのである。

「無理やりな日もあったし、ゴムなしで中に出された日もあった」

しかし美優は、その先輩を嫌いになれなかったらしく、

「だからしばらく続いたんだ」

と言った。



< 154 / 275 >

この作品をシェア

pagetop