【完】『空を翔べないカナリアは』

美優は貴慶と繋いでいる手をことさら強く握って早足になった。

「貴慶、行こ」

その刹那、美優の肩を何者かが掴んだ。

「そんなオッサンなんか放っといて、うちらと遊ぼうよー」

見ると、明らかに柄の悪い男が三人ばかりいる。

美優は貴慶にしがみついた。

三人のうち真ん中の白のTシャツの男が、

「オッサン、どけ」

と脅しをかけた。



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