【完】『空を翔べないカナリアは』

横浜駅へたどり着くまで長く感じたが、ひと駅さらに乗って桜木町で降りると、二人はようやくそこで空腹を感じたらしい。

「お腹すいたね」

「取り敢えずどっか行こか」

赤レンガのカフェに入ると、サンドイッチとコーヒーを二人は頼んで、

「今度からデートはこっちやな」

渋谷は怖くてあかん、と、どうやら内心では貴慶も怖かったことをそこで美優は察知した。



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