天神学園の奇妙な案件
抑えても抑え切れない龍一郎の嗚咽のみが響く控室。

一味の仲間達は、沈痛な面持ちで俯いているしかない。

と。

「失礼します」

その控室に、入って来る者がいた。

丹下 ルカ。

これから、決勝に勝ち進んだティーダと戦う相手。

しかしこの決勝は、ルカにとってはあまり意味をなさない。

彼は龍一郎との賭けに勝ったのだ。

もう歴史は、彼の手中にある。

タイマントーナメントでの優勝など、些事に過ぎない。

ルカは、龍一郎を笑いに来たのか。

やはり自分の方に運命は味方したと、嘲笑しに来たのか。

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