優しい魔女は嘘をつく

──





教室に戻った私は、自分の机に置かれたそれを見て、しまった、と思った。



手紙が置かれていた。



一枚だけ、ポツンと置かれていた。





また、「魔女」に会えなかった。



彼女はこちらの行動をよんでいたのだろうか。それとも、偶然私がいないことに気づいて手紙を置いていったのだろうか。



どちらにしろ、やられた。





耳をすませても、廊下の方から足音は聞こえてこなかった。



たぶん、「魔女」はもう校舎にはいないんだろうな、と思った。




でも、今日は少しやってみたいことがあった。



「魔女」に直接聞けないなら、手紙を通じて聞けばいいということに、少し前に気づいたのだ。

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