優しい魔女は嘘をつく
──カッ、カッ、カッ。
秒針が、一定の間隔を置いて時間を刻む。あれから、何十回も何百回も聞いてきた音だった。
暗い室内には、月の光が差し込んでいた。
いつもならクラスメイトがいて、賑やかなはずの教室の中は、驚くほど静かだった。
あぁ、喉が乾いたな。
ぼんやりとした意識の中で、「カッ」と一際大きい音が聞こえた。
ゆっくり顔を上げると、時計が見えた。
「12」の数字の上で、二つの針が重なった。