優しい魔女は嘘をつく
温かくて、恥ずかしくて、思わず叫びたくなる。もう、後悔しない。だってこんなに幸せなんだから。
私は、この気持ちを直接伝えはしない。
堂本くんが、たとえ気づいてくれなくても。
私なんかよりももっと、素敵なひとに巡り会えて……幸せになってくれたなら、それでいい。
だって、天国に行って、そこから堂本くんの笑顔が見られるなら、それ以上嬉しいことってないよ。
彼の幸せそうな顔を、私はこの先も見たいと思うから。
ずず、と鼻水をすする堂本くん。
本当に泣いてるのかは分からないけど……悲しんでくれている?
「堂本くん。……あのお花、明日になったら片付けてもいいからね」
先に沈黙を破り、私はそう言った。