優しい魔女は嘘をつく

温かくて、恥ずかしくて、思わず叫びたくなる。もう、後悔しない。だってこんなに幸せなんだから。




私は、この気持ちを直接伝えはしない。




堂本くんが、たとえ気づいてくれなくても。



私なんかよりももっと、素敵なひとに巡り会えて……幸せになってくれたなら、それでいい。




だって、天国に行って、そこから堂本くんの笑顔が見られるなら、それ以上嬉しいことってないよ。






彼の幸せそうな顔を、私はこの先も見たいと思うから。





ずず、と鼻水をすする堂本くん。



本当に泣いてるのかは分からないけど……悲しんでくれている?






「堂本くん。……あのお花、明日になったら片付けてもいいからね」





先に沈黙を破り、私はそう言った。
< 254 / 301 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop