優しい魔女は嘘をつく

「うん、そうしよう……」





一つ息をついてそう呟く。




静かな空間に響いた私の声は、微かに震えていた。



緊張しているっていうか、なんていうか……別に、怖いとかそんなことはないけど。





「本当だったらいいな、なんて……」






想像したら、少しドキドキした。でも直後に欠伸が出て、私は「そんなわけないよね」と机に伏せる。




鍵は教室のドアの近くに掛けて置いてあるし、まだ少しは時間もあるよね。



また眠くなってきたし、今日はもう少しだけ寝てから帰ろう。




そう思って目を閉じると、だんだん意識が、何かに吸い込まれていくように消えていった。






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