【完】Kiss me 社長の秘密と彼女のキス
「それと、式はAOYAMAでやってくれるみたいだから、麻耶担当してくれる?」
「いいんですか?私で」
「ああ。兄貴の希望だから。兄貴は忙しいから彼女に連絡してくれる?後で名刺渡すから」
「わかりました」
麻耶は嬉しくなり、どんな式がいいか頭を巡らせた。

後片付けを終えて、交代で風呂も済ますとソファーで二人はDVDを見ていた。
「麻耶、明日はどこか行こうか?」
芳也の肩に預けられた麻耶の頭を撫でながら、芳也は麻耶に尋ねた。
「本当に?」
その言葉に、麻耶は頭を上げると芳也を見つめた。
「そんなに遠くは無理だけど、一日一緒に休める日ってあまりないだろ?どこに行きたい?」
「どこがいいかな……」

(デートなんてほとんどしてないしな……)

考え込む麻耶をクスクス笑いながら見ると、芳也は「考えといて」そう言うとまた、麻耶の頭を抱き寄せた。


(こうしてるだけで私は幸せなんだけどな……)

そんな事をぼんやりと考えていると、ふっと麻耶の視界が暗くなり唇が塞がれた。

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