【完】Kiss me 社長の秘密と彼女のキス
(本当に無意識にそういう気を持たす事しないでよ……)
撫でられた場所にそっと手を触れると麻耶は軽く息を吐くと、バスルームに向かった。

汗でべっとりとした体を流すと、幾分頭もすっきりとした気がして髪を乾かすとリビングの芳也に声を掛けた。
「しゃ……芳也さん、朝ごはんは?」
「そんなことお前が気にするな。昨日始が買ってきたレトルトのお粥と、サンドイッチどっちがいい?」
キッチンでコーヒーを入れながら麻耶を見た芳也に、麻耶は慌てた。
「私がやります!すみません」
パタパタとキッチンに向かう麻耶を、芳也は軽く睨むと、
「体調悪い時ぐらい大人しくしてソファに座ってろ。どうせ出すだけだから」
そう言って麻耶を制すると、芳也はコーヒーを自分のカップにいれて、麻耶にはオレンジジュースをコップに注いだ。

「はい。じゃあサンドイッチで」
「了解」
さすが始と言うべきか、有名店の定番のたまごサンドだった。

「お前は、コーヒーやめとけよ」
そう言って出されたオレンジジュースとサンドイッチを麻耶は眺めた。
「はい、ありがとうございます」
まだ少しぼんやりとした頭で、サンドイッチを口に入れると芳也の視線を感じた。

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