甘いチョコとビターな彼


「たのもー!」


「はぁ………」


本日のお昼休憩も上機嫌でお隣のクラスにお邪魔すると、見慣れた彼がやっぱりため息をついた。


「頼むから普通に入ってきてくれ……」


「えー、なんで?」


「お前が大声を出す度に、いらん注目を浴びるからだ」


「でも今日はそんなに人いないよ?」


辺りを見渡してみるけれど、最近購買がやっていなくて食堂に人が集まるせいか、クラスには数人しか見当たらない。


「それでもやめろ」


「ふむ……しょうがない。聞き入れてあげよーう」


「上から目線もやめろ」


「あははっ。チョコくんは面白いなぁ〜」


「ほんと変なやつ……俺のことを面白いなんて言うのはお前ぐらいだ」


「えー、そうかなぁ?
あ、みんなチョコくんと話さないからじゃない?友達になったら、きっと面白い人だってわかるよ!」


「友達になっても言われたことなんかねーよ」


「えっ?友達いたの?」


「……今の話じゃない」


「いつの話?」


「…お前はよくズケズケと聞いてくるな」

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