甘いチョコとビターな彼


「────よぉ」


「え!?チョコくん!?」


夕日が辺りをオレンジに染め始めた放課後。


後ろから声をかけられて振り向くと、彼の姿が目に入った。


私はすぐに周囲を確認して、廊下に誰もいないことを確認する。


「何その挙動不審な動き」


「え、だっていつも人目があるところで話すの嫌がってるから……」


「……別にもう平気」


「??」


頬をかきながらよくわからないことを言う彼に疑問符を浮かべながらも、私は彼に質問を投げかける。


「えっと……私に何か用かな?」


「用っていうか……なんで昨日も今日も来なかったんだよ」


「え?」


「教室。昼、待ってたんだけど」


「っ、」


『昼、待ってたんだけど』


チョコくんらしくない。何かあったのかな?
そう思うけれど、嬉しさの方が勝って顔を紅潮させてしまう。

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