喫茶店の彼女


「…ん!この新作すっごいうまい!」


窓の外から木の揺れる音が聴こえる木曜日。


目の前でオレンジピールのタルトを頬張る直樹くんに、私は思わず笑みを零した。


「ふふっ、直樹くん、リスみたいになってるよ」


「リスっ!?」


「あははっ」


驚いた瞳が丸くなってさらにリス感が増してしまう彼に、私は笑いが止まらなくなってしまう。

< 52 / 98 >

この作品をシェア

pagetop