政略結婚はせつない恋の予感⁉︎

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慶人が神父さまの聖書台の前に立った。
白のフロックコートを優雅に(まと)った彼は、本当に「王子さま」が現実に現れたようで、周囲がどよめいている。

「えーっ、あんな恥ずかしい格好で、式が始まるまでマヌケにも一人で待ってなきゃいけないのか?
……どんな罰ゲームだ」

将吾さんが隣で心底げんなりした顔をしているので、肘で突っついてやった。

どうやら、前でも大地が同じような感想を述べたらしく、亜湖さんがぎろり、と睨んでいた。

ヴァージンロードを挟んだ両側の席もほぼ埋まっている。

いよいよ……結婚式が始まるのだ。

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