政略結婚はせつない恋の予感⁉︎

「おまえ、覚えてないのか?」

わたしの鎖骨のさらに下へくちびるを、わたしの乳房からさらに下へ手のひらを、這わそうとしていた将吾が、わたしを見上げる。

「おれが前に、
『この先、あんたがおれのなにを見たって、絶対に婚約破棄させねえからな』
って、言ったこと」

それは確か、将吾と「大橋」さんが抱き合ってるのを見たときだった。

「少し、変えるぞ」

なんだかあのときが、ずいぶんと昔のことのような気がする。


「……この先、おまえがおれのなにを見たって、絶対に離婚させねえからな」

< 408 / 507 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop