政略結婚はせつない恋の予感⁉︎
頬を真っ赤にしたまま駆け出そうとする少女に、少年は声をかけた。
「Ayano!」
少女は急に自分の名前が呼ばれたので、振り向いてしまう。
「Can you speak English?」
〈英語、話せる?〉
少年は、ゆっくりと、発音した。
少女は、英会話スクールで習った単語だ、と思った。
そして、小さな声で「No」とだけ答えた。
突然のことだったので、せっかく習っていた
「l can’t.」をつけるのを忘れた。
「……No way!」
〈マジかよっ!〉
少年は天を仰いだ。
少女が自分を無視していたわけではなかった。