イケメン部 〜第1巻〜
「御影誠だ。担当分野は琴。部長や西条に何かされたら直ぐに俺を頼れ。力になってやる」



顔色一つ変えずに言う御影だった。

御影の発言に佐々木.西条は不満を感じたものの、澪和の顔は明るくなり、



「有り難うございます」



素直に感謝の言葉を伝えた。



「2人とも見事にフラれたな」



笑いながら言う男は――



「3年、楠見薙早。得意分野は囲碁だ。お前なんかには興味ないから安心しとけ」


「本っ当そーゆーの、鬱陶しいよ?この部活に3年生は僕一人で良いのに」



楠見の腹の立つ自己紹介にすかさず佐々木が言葉を挟む。



「生徒会だからって調子乗んなよ。フラれた癖に」



言い返す楠見。



「………それやめて?本当に傷ついてるから」


佐々木は耳を塞ぐ。



「…ご、ごめんなさい」



罪悪感を感じた澪和は佐々木に向かって謝る。
< 21 / 130 >

この作品をシェア

pagetop