イケメン部 〜第1巻〜
伍の章

其ノ壱

五月もいよいよ中旬に差し掛かった。


部長である佐々木教芳はやっと部活に来れることになった。



「わぁ〜、この部屋久しぶりだなぁ♪」


「来れなかった時期、長かったですからね」



懐かしそうにはしゃぐ佐々木を後ろから暖かそうに見守る城津。



「コーヒーとか入れるっすか?」



西条は手にコップを持っている。



「いや、部長は紅茶の方が好きだろう」



御影はティーパックを片手に、西条を押しのけ、佐々木に訊ねた。



「そうだね。あ、でも、澪和ちゃんに入れてもらいたいかも♪」


「え…、私ですか?」



澪和は突然名前を呼ばれて少し驚きながらも、御影からティーパックを受け取った。



「澪和ちゃん、久しぶりに会ったけど、僕が会わない間にますますべっぴんさんになったね〜」



今日も相変わらず口説きまくってくる。

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