イケメン部 〜第1巻〜

其ノ弍

楠見が引退してーーー部室に来なくなってからもう3日が経った。


伝統部の部員たちは普段と何一つ変わらない様子だ。




……今日は楠見先輩くるかな?




澪和は淡い期待を抱いていた。



「れーいわちゃんっ♡」


「わぁっ!?」



ーーーと、急に澪和の背中に何か重いものが乗っかってきた。



「もぉっ、やめてくださいっ」



佐々木だ。

最近よく佐々木が澪和にくっつくようになってきた。

(まあ、もともと澪和にベッタリだったのだが)




…引退の大会が近いからかな?




佐々木の大会もあと四日後だ。




絶対寂しいはずなのに、そんな感じを見せてない…

部長って凄い………




澪和は心の中で呟いた。

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