Another 姫☆組 (姫シリーズVol.3) 【完】
「ガクさんはずーっと姫ちゃんと一緒に育ってきたから、ああ見えて、りんちゃんの方がガクさんの手の中で転がってるかんじじゃない?」

意外にも鋭い咲の洞察力に驚く大吾

「姫ちゃんの女王様っぷりはりんちゃんの数倍上をいってるでしょ? だから、本当にすごいのは日向さんだよ?」

「だよな~ 日向さんって、器でけ~って思うし・・・」

「この前のカキ氷の話し聞いた?」

と咲は大吾の顔を覗き込んだ

「カキ氷?」

「あのね・・・・」

咲は笑いながら話し始めた・・

姫ちゃんの家って、夏になると家族で避暑地に行くのが恒例だったんだって・・

でも、那須とか軽井沢とかじゃなくって、毎年行くのはアラスカ

なんか、そこってどうなのって感じなんだけどさ~


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「姫花~ 今夜近所でお祭りあるらしいけど、行く?」

と日向

「お祭りって、あの“わっしょい、わっしょい”ってやつ?」

「ん~ 俺もよくわかんないんだけど・・」

外国育ちの日向にとって、お祭りといえば、カーニバル的なものしか連想されてこない

「私、お祭りとかって行ったことないの・・ 親に連れて行ってもらったことないしさ、学校の友達も近所にはいなかったから・・・」

と姫花

「御両親が連れて行ってくれなかったのは、連れて行けなかったんじゃないかな? ただでさえ、人が集まるのに、有名人のふたりが現れたら大騒ぎになるだろ?」

と日向は姫花の隣に座って、姫花を肩に抱き寄せた








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