意地悪上司は私に夢中!?
もう遠慮しないから
翌日、ウチの島は朝からバタバタしていた。

新しいプロジェクトが動き出し、それに向けてのチームミーティングも増え、これから永瀬チームは忙しくなりそうな予感。

「鈴原、クライアントに渡す資料チェックしろ。
午前中のうちに」

「午前中って、あと5分ですよ?」

「そのくらいの勢いでやれってことだよっバカかお前は」


…そうだ。やっぱり永瀬さんはこういう人だ。


「あ、あの、永瀬さん」

ん?と訝し気な顔をして振り返った永瀬さんに、お礼を言おうと思ったけど、ここで言うのもおかしい気がする。

みんな見てるし…


「…なんでもないです」

「物忘れが激しくなって言いたいことも忘れたのか?
脳トレしろ、脳トレ」

「違いますよっ失礼なっ」


…やっぱりムカつく。

やさしいと思ったのは錯覚だ。



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